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沈黙を共有する ~「平和を求める朗読会~パレスチナの詩を聴いてみる・読んでみる~」京都 レポート~

会場:KAIKA
日時:2024年2月25日(16:00〜18:00ぐらい)

先日、この会の参加者の有志で朗読した様子の動画をSNSにUPしました。



これは、この会の一つの意義であったと思う。多人数で<「ガザで生き ガザで死ぬ」を朗読する>ことを提案してみようと、当日よりかなり前から僕は考えていた。一人で稽古していて、うまく声が見つからない。きっとこれは多人数で読んだ方が良いに違いないと思っていた。結果僕の提案は受け入れてもらえて実現した。
でも、この会の一番の手柄は、「多人数で朗読すること」の前提となったこと、つまり「沈黙を共有できたこと」ではないかと今は思っている。

沈黙はsnsなどのweb上では共有できない。
実際に同じ場所にいた人でしか共有できない。
発言やアクションや、いいニュースも悪いニュースも、怒鳴り声や泣き声も、web上で共有できる。
でも沈黙をweb上で共有することはできない。(できるのかもしれないが、僕には想像がつかない)

<><<><><><><><>

会の雰囲気を率直に伝えると「お通夜みたい」というのが一番ピッタリくるだろう。

田中「誰かこの詩を読んでみたい人?」
手は上がらない。
田中「じゃ、僕が読みます」
読み終わる。
沈黙。
田中「誰か読む人いませんか?」
誰か「じゃ、はい。読んでみます。」
田中「お願いします。」
誰か読み終わる。
沈黙。
沈黙。


田中「じゃ、次はこの詩はどうでしょうか?この詩を読んでみたい人?」
手は上がらない。
田中「じゃ、僕が読みます」
読み終わる。
沈黙。
田中「誰か読む人いませんか?」
誰か「じゃ、はい。読みます」
田中「お願いします。」
誰か読み終わる。
沈黙。
沈黙。

拍手を、僕はしたかった。それは僕と純子さんが呼びかけた会に来てくれて(僕はその言葉を自分の声で発することで気づくことがあると思っているから、押し付けは絶対したくないけど朗読してくれたら本当に嬉しい。当たり前の話)朗読してくれたので、「ありがとう、僕嬉しい」という意思表明として拍手した。でも「拍手じゃ、ないよね…」とも思っている。

それぞれの詩について、僕ともう一人ぐらい。だから二人ぐらいが朗読する。
少しの感想は出るし、僕の方は稽古してるもんだから「僕はこの詩をこう思ってこう読んでます」てな、どうでもいいことをしゃべるけど、でもほとんどは沈黙。

ある参加者が「この沈黙を共有できるのがいいです」
他の数人の参加者も頷く。

そうなのか。と僕は思った。けれど今(上に書いたように)それが大切だし必要なのだと思っている。
そしてそれはSNSでは共有できないのだ。直接、会って場を共有しないと。

誰かが、パレスチナで書かれた詩を読む声を聞いた後の
自分が声に出して読んだ後の
沈黙

言いたいことや、言葉にするべきだと自分が思ってること。それはひょっとしたら自分の中で何回も何回も反復されてあるいは腐臭をはなっていたり、もしかしたらそれに飽きてしまっているような言葉。
と、
でも言葉が「自分の外に出ていくのを引き止めている力」
と、

その双方のありようをいやというほど自分だけで受け止め(実際これは実にいやな体験だ)
そして
沈黙している。

その一人一人の沈黙をその場にいた人たちで共有できたこと。
その沈黙は、その場に集まった人々にしか共有できない。

その意味で「平和を求める朗読会~パレスチナの詩を聴いてみる・読んでみる~」京都は確かに意義があったと思う。
その時間KAIKAに集まった人々が、それぞれの沈黙を共有できたことが。

沈黙は基本的に個人的なものだろう。でも自分の隣に「(内実は違うかもしれないけれど)同じように沈黙している人が居る(実際にリアルな場所で隣にいる!)」ことが、どれほど僕たちを安心させることか。
意見を交わし合う。その土台、その前提、その手前=「沈黙」が共有されて、それからようやく僕たちは、ボソボソと小声で話し合えるのかもしれない…

子供たちがいてくれて本当によかった。助かった。ありがとう三人の天使(笑)余談だが、そういう(お通夜みたいになる)予想は僕はしていて、用意するものリストに「お花(アレンジメント)」と書いていた。お花は象徴的な意味合いをもたせて、ということでは全くない。むしろそれは避けたいと思っていた。なんか全体がズドーンと沈み込んでしまっても、車座の真ん中にでもお花があれば、それで救われる、ヌケてくれるものがあるんじゃないかと思って。ただ前日プリンターのインクが切れて、当日の午前中に届いたもののそこから印刷やその他のことにも終われてしまい、結構ギリギリの時刻に家を出発する羽目になった。「まぁ会場の近くの花屋で買えばいいや」と思っていたのだけど、会場付近は比較的繁華街なので気取った花屋さんが多く二軒ぐらい入ってみたものの、ご飯茶碗ぐらいの小さいアレンジメントで4000円(!)ぐらいの相場だったので、諦めたのだった。
子供がいてくれて本当に助かった。あとKAIKAは防音設備がほぼなく、外から車の音などが入ってくる。それもよかった。

沈黙を共有することはとても有意義だ。が、ヌケがない閉鎖空間だと、「次」にいけない。

私たちは何度かのそういう沈黙の共有を経て、経たからこそ、UPした動画の表現を作れた。
付け加えると「沈黙を共有できてるのがいいです」と言った発言者は、上の動画に写っていない。朗読に参加していない。カメラのレックボタンを押してくれている。
それもすごくいいと思う。

繰り返す。web上では沈黙は共有できない。
しかし、僕たちが連帯できるとしたら、まずはその沈黙からではないだろうか?

事実、2時間強の短い時間であったけれど、僕たちは「沈黙」を共有し、次に「詩の朗読」を(全員ではなく)共有した。
半分ぐらいのメンバーで二次会にゆき、そこには多分にお酒の力があっただろうけれど、みんなそれこそ堰を切ったように「吐露」するように話し出した。「戦争のこと政治のこと」について話すことはおっかない。でも話さないこと、それを自分の身の内に抱えて、それがどんどんと大きくなって激しくなっていくこと。それはしんどいし、恐怖だ。
喋ることも恐怖。喋らずに抱え込でる恐怖。

八方塞がりの僕たちは、「沈黙を共有する」ことで、一つの安心を得て、そしてようやく詩を朗読したり、抱えていた赤裸々な問題意識、悩みを吐き出しあった。

ガザの現状を、この朗読会の隣に置いてみた時。
いかにも微温的だ。
「詩の朗読」どころか、その手前の「沈黙」から共有などと。どこまでのんきなんだ!と

反論しない。できない。

でも僕はこれまで家族と、年に3、4回飲み会をする親友の二人の友人の他には、平和について話をする人はいなかった。
僕は「平和について語り合える人」を、その人々が増えることを心の底から希求している。

その為には、まず「沈黙を共有すること」が必要なのだと思っている。
それでは間に合わないのかもしれない。
すくなくとも僕が声かけしてるだけでは間に合わない。と僕は思っている。

だからどうか、今回の「平和を求める朗読会~パレスチナの詩を聴いてみる・読んでみる~」京都のような会が、いろんなところで、いろんな人によって、いろんな場所で行われることを、願う。
それは朗読会でなくって全然いい。歌でも、ダンスでも、絵でも、当然いわゆる「芸術」じゃなくても(むしろない方がいい。平場で「平和について語りましょう」の会が、一番いい。一番広がるし。けど、戦略的にフックとして何かあった方がいいとは思う。人は「誰でもいいけど参加してみない?」と言われるよりも「ちょっとそこのあなた」と呼びかけられた方が、行ってみようと思うから。僕は「俳優によるパレスチナの声代読プロジェクト」というスレッド名に『呼ばれて』コミットし始めたから)

例えば朗読会として、もしどこかで誰かが企画してくれる参考になればと思い、以下、この会の流れをざっくり記します。
※もし本当にこういう会をやってみたけれど、この点について気になる?というようなことがあれば、「今回はこうしました」ということであればいくらでもお伝えしますので、田中にお問い合わせください)

<><><>
15:30
田中、植村集合。資料はあらかた田中がプリントアウトして持参。
資料は参加者各自が一枚ずつ持っていけるように机の上に並べる。
参加人数が読めないので、大体で椅子を並べる。(結局、地べたに座るのもOK,椅子に座りたい人は座ってね、形式にした)

16:00
開始(参加者子供3名含む10名)

1)会の成り立ちの説明(田中)
2)会の目的説明(田中)タイトルの「読んでみよう、聞いてみよう」以上の目的はなく、むしろ「どうしたい」というような提案を参加者からもらえたら…
3)基本的なルール(プライバシーとか著作権とか)の共有
4)記録のための動画を撮っていいか確認。
5)参加者が現時点で「朗読しよう」と思っているか?「聞くだけにしとこう」と思っているか?自分でテキストを持ってきたか?などの確認
6)どういう形で朗読会進めていくかの提案(今回は「停戦のためのパレスチナ朗読プロジェクト」
https://docs.google.com/document/d/1k6pxn1_AXyqz149_Z5y-hflVPKsWoC0Xt0IBbIB58jw/mobilebasic
で紹介されている詩を一つ田中が選び、それ読みたい人が読んでみる。短い詩なので、二人希望者がいれば、二人が続けて読んで、その後、全員で感想(その詩について、その朗読について、その他なんでも)や、しゃべりたいことをしゃべる。→次の詩をまた一つ決めて…)
7)自己紹介
偽名(ニックネーム)でもOK。自己紹介そのものをキャンセルもOK。名前+一言ぐらい。(この一言が、結構みんな重い切実。「なんでこの会に参加したのか?」ということを喋らんといかんかなぁと思うから。でも、ここで、「あぁ、きっといい会になる」と僕は確信できた)
※最初に自己紹介がいいのかもしれないけれど、ややこしい説明が流れを阻害するので、それをまとめて先にやってしまってから自己紹介にして、みんな安心してその流れから朗読に入りたいと思った。
8)希望者が朗読、その後、感想(など)を言い合う時間。どういういみなんだろうか?どういう情景なんだろうか?など。

9)全体的な振り返り。フリートーク
10)有志で二次会

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