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夏の終わりの祭りの修行

今夜は近くのお寺のお祭りだった。低い山の中腹にそのお寺はあって、底へ向う参道もある程度の坂道担っている。年に一度だけその坂道に夜店が並び近所の人でごった返すのだ。たこ焼き、焼きそば、焼き鳥、チョコバナナなどを売る屋台の並ぶ狭い坂道を上り切ると石段が現れる。消防団員の姿が目立つのはこの上の寺の境内で「火渡り修行」が行われるからだ。毎年、いずこからかあらわれた山伏さんたちが護摩を焚き、その燃えた崩れた残り火の残る灰の上を裸足て渡る修行で、山伏さんたちに続いては一般客、つまり私たちも渡らせてもらえるのだ。もちろん山伏さんたちが渡るときよりは随分と火力が弱まっている。というか実際に燃えているのは両端だけで、私たちが渡る幅一メートル長さ3メートルほどの「道」は既に灰になってしまっているのだけれど。娘にスマートフォンを渡して、私は列に並んだ。随分気が早いことをしたもので、並んでから10分以上待つ事になった。派手に燃える火の中を渡っていく山伏さんたちに歓声が上がる。その後水をかけて火を弱めたり、逆に油(灯油だろうか?)をかけてもやし尽くそうとしたり、山伏さんたちによって「素人でも渡れるようなコンディション」に整えられて、ようやく私たちが渡る番となった。最初の人が結界の中に入る。山伏さんたちがその人の背中や頭に鈴のついた杖を当てて「えぃ!」と大きな声を出し、トップランナーが火の中へと足を踏み入れていった。その後、多分十番目ぐらいに私の番がやって来た。脱いだビーチサンダルを脇に抱えて灰の廊下へ足を踏み出す。無病息災。歳を取るに連れて心の中の声がクリアになって来ているのを強く感じた。

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