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シャックリ

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地下鉄の駅から帰宅する手前の最後の坂道、私は自転車のペダルを踏み込んだ。

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十分体内に回ったアルコールを、このハードな運動が更に体の、そして脳の隅々まで浸透させていくのがわかった。

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私は必死に数を数えながら自転車を漕いだ。シャックリのピッチはさっきから変わらない。駅を降りて自転車に乗る前は多分二十秒に一回程度だったように思う。いや酔っぱらいが「思う」と言った所でなんのあてにはならないのだが、山の裾野にある我が家まで自転車を漕ぐ間にシャックリのピッチは早くなり、それが約四秒半程度で頭をうち、数分前からこのインターバルで続いているのだ。

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私は肺に満タン、息を吸って止めた。自転車を漕ぎながらという事もあって口の端や鼻から漏れ出てしまう。結果シャックリは止まらず、息苦しさだけが残り、私は喘ぐようにして坂道を自転車を漕いでいく。「コップの水を向こうから飲む方法」を知る前の私なら、なんども「息を止める方法」を繰り返して疲弊していたはずだ。しかし五年ほど前に「コップ法」を試していたく効果があった体験以来、もう無理をして「息止め法」を連発することはなくなった。
坂を上り切り、自転車置き場に自転車を止め、階段で五階まであがり、玄関のカギを開けて、台所の流しの脇の洗い物入れからコップを取った。私は冷蔵庫から冷えた天然水二リットルのペットボトルを取り出しコップに注いだ。(この間も勿論4、5秒おきにシャックリは続いていた。が、私は慌てず騒がず)冷水の入ったコップを両手で自分の胸の前辺りに持つ。首を前におり、胸も前に折り曲げるようにしてコップの「向こうの端」に口を付ける。つまりコップに覆い被さるようにして、私の胸から遠い方のコップのヘリに口を付けてすするように冷水をすすった。
いつもながら鮮やかにシャックリは止まってしまった。

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