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判断ミスかもしれない。

今日も暑い日だった。しかし予定通り、高槻の中学校での演劇ワークショップはさらがらサウナのごとき体育館で行われた。仕方が無い。精も根も声も尽き果てた私はJR高槻駅から新快速に乗って山科駅まで戻って来た。高槻駅の売店でビールを買ったことはいうまでもないだろう。山科からは京都市営地下鉄に乗り換えて四駅ほどだ。午後四時半ぐらい。地下鉄のホームに降りると、混雑というほどではないにせよある程度の人がスマートフォンを見たりぼんやり立っていたりした。乗り込み口の三つ分ぐらい前方、だから車両一つ分ぐらい先にいたカップルが目についた。なんといえばいいのか、ちょっと変な空気を出していた。僕の周囲の人々も若干ざわついている。
「やめてよー」とおそらくまだ十代か二十代前半の女の子が男の子に向って、懇願するように言った。男子は携帯で誰かに電話をしているようだ。別れ話だろうか?なんなんだろうか?女子の常ならぬテンションがやはりちょっと気になった。
その内男子は電話をかけながら階段の方へと歩いていった。女子はべそをかくような声で「ホントやめて」と言いながらその後ろをついていく。私はいろんな想像をしながら彼女たちの後ろ姿を目で追いかけた。車両にしたら二つ半ぐらい先の階段の登り口の手前まで二人が差し掛かった時、男子が一瞬立ち止まって後ろ足を蹴り上げた。その足が女の子の太腿辺りにあたったのが私からも見えた。女の子はその場にしゃがみ込んだ。
私は早足でその場に駆けつけて二人の間に入った。なるべく興奮させないようにひとまず男の子に「なにがあってもあかんぞ。」と言い、女の子に「大丈夫か?ホンマにあかん奴なら言い」と言った。
その後男の子に「俺の目を見てもう絶対手は出さんと言ってくれ」と口約束をさせ、女の子にはなんども「ええのか?保護できるよ」とも言ったが女の子は首を振るばかりだった。泣いていた。
時間にして三分間ぐらいだと思う。「行くよ、早よして」といった男の子について、女の子は階段を上がっていった。私はそれを見送った。

判断ミスかもしれないと、それからずっと引っかかっている。
自分を棚に上げてあえて言うなら、駅のホームのような公共の場で、暴力が振るわれて(しかも男の子から女の子に)、それに大人が「アホか」と言わないのは、良くないと思う。私は全体主義とか村社会とか同調圧力とか本当に苦手だから「どの口が言うか」と言われると「そこは、その塩梅ですがな」としか言いようが無いけれども。

口火は私、切ります。もう性格ですから。ただの野次馬根性ですすいません。でも、私や私みたいないっちょ噛みが「ちょっとお兄ちゃんけったらあかんやろ!」って突っ込んでいったら、そのあと誰か加勢してもらえませんか?例えば今回でも僕が男の子と話してる間に、だれか女性が女の子の話聞いてあげられてたら…。とかですね。
実際の所、近くまで行ってみた男の子は多分十代で、顔がサッカー選手のロナウジーニョっぽいひょっとしたらハーフかもしれない人だった。その時点でかなり痺れた。それはとっさに表面に浮かんだ私の地金だ。差別意識。日本人よりもブラジル人のことを野蛮な人だと思っている。刃物の事とかも頭をよぎった。「刃物がでてくる可能性」を排除しない姿勢は正しいと思う。こういう「人のトラブルに口突っ込む」人の態度としては。しかし、そのトリガーが「男の子の顔つきがハーフっぽい」って、どんだけ私の体に差別意識が染み付いているのか?いやそんなことよりも彼女は無事だろうか?文体もへったくれも無いぐらいに気持ちが動揺したまま私はパソコンに向ってこの文章を書いている。




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