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キャンパス

潮の香りがするキャンパスは私の想像をはるかに超えておしゃれなエリアだった。神戸学院大学の構内を歩きながら私は、自分自身の薄汚かった学生生活を思い出していた。実家から原付で通ってっていたのは入学からしばらくのあいだだけで、そのうち同級生や演劇部の先輩たちアパートマンションを泊まり歩くようになった。ただれた男女関係などがあればそれなりに「青春」の対面も整うのだがそういうことはなく、バイトするか、台本書くか、マージャンするかの夜を過ごした。その頃の自分に教えてやったらどんな顔をするだろう。
「四半世紀後、お前は大学で、学生相手に演劇の(技術やシステムを流用した)ワークショップをしていますよ」と。
アバタづらで、今よりは幾分毛髪の元気な自分の顔を思い浮かべる。そいつは「信じられない」という表情でゆっくりと首を左右に振った。
「『表現』でも『コミュニケーション』でもいいけれど、いずれ教わるものじゃないし教えられるものじゃないだろう?」
私は返す言葉もない。ワークショップというのは便利な言葉だ。

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