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梅雨明け?ですか。

フロントガラスを滑らかに水が滑り落ちていく。私は運転席でそれを見ていた。帰社する前に立ち寄ったコンビニエンスストアーの駐車場で「バケツをひっくり返したような」雨に遭遇し、出るに出られなくなってしまったのだ。雨粒が激しくハイエースの天井を叩いていた。でも不思議と私の耳にはその音が聞こえて来ないのだ。どこか遠くでなっているお祭りの音楽の様に。雨が強く降れば降るほどに、世界と車内は隔絶され、その距離が開いていく。目の前の歩道を、高校生ぐらいの男子が自転車を漕いでいく。透けたカッターシャツを身体にへばりつけ「笑うしか無い」という笑顔で通り過ぎていった。私はいつかの夜を思い出した。その夜も雨が降っていて、止まった車の中で私は何かを待っていた。フロントガラスを滝のように水が流れていった。外の明かりが(それは月明かりであればもっとロマンチックだったろうけれど、きっと電柱につけられた街灯だったろうと思う)フロントガラス越しに車内に差し込み、その影がボンネットに「流れる」模様を描いていた。あの時の記憶もそうだ。天井を叩く雨の音はやかましかったに違いないのに、記憶の中では全くの無音で、まるで別の星にたどり着いたような気持ち、それだけがとてもクリアなのだ。

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