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地震警報

その時私は車に乗っていた。早朝六時半からの食堂のヘルプから、本社に戻る途中だった。自分のスマートフォンと会社から支給されている折りたたみ携帯とどっちが先になったのかはわからないが、二台分のアラームが軽自動車のなかでけたたましく響いた。突然の事だったので(当たり前だ。警報が鳴るのはいつも突然だ)私は急ブレーキを踏む事こそ無かったがそれでもそこそこ驚かされた。地下鉄や電車の車両内で何十個という携帯電話が同時に響き渡った時の恐怖は想像にあまりある。私はスマートフォンの表示を確かめた。「強い揺れに備えて下さい」。多分正解は「道の端に車を寄せて停車する」だ。ちょうど先の信号が赤になり車をゆっくり停車させた。窓から辺りを見回してみると、私の周りでも同じように様子を伺っているドライバーや歩行者がいる。集団登校の小学生の姿も見えた。やがて信号は青に変わった。ここまで何かが起こる気配はなく、車の列はおそるおそる前進を始めた。大した事は無かったのだろう、と高をくくって本社へと再び走り出した。次の信号待ちで私はスマートフォンのTwitterアプリを立ち上げた。こういう時の即時性はやはり強い。フォローしている数人が既に「怖かった」「強く揺れた」などとコメントしていた。実のところ私は揺れを一切感じていなかった。勿論私が鈍感だという事は否定できないしするつもりも無いが、車の運転中というのは常時ある程度揺れているものなのだろうと思う。だから私はTwitterを見ていてもその時点ではそれほど大事だとは思っていなかった。帰社して同僚たちの平常ならざる顔色と態度に触れてからようやく「大きい地震があったのだ」と認識し、家族と連絡を取ってみた。電話ではなくLINEにしたのはあるいは正解だったのかもしれない。本社はガスが止まってしまい、弁当工場である我が社は午前中偉い事になったわけだけれど、本社や、他の配送員との連絡しようと携帯電話をかけても繋がらない事が多かった。くらべてLINEは無料通話もスムーズにできた。てんやわんやの午前中の配送をなんとか終えた私は昼休みに、壁の下敷きになってしまった少女のニュースを知った。同じ年頃の娘を持つ身として、ただ、言葉を失った。

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