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R高校のY先生

体育館到着すると中には誰もいなかった。しまった。これでは打ち合わせができない。冷や汗がじんわりと脇の下から出てくるのがわかった。とにかくできることをやるしか無い。模擬刀や衣装をいれたキャリーバックはそこらに置いて、とにかく音響のシステムからチェックする。ipadのイヤフォンジャックと体育館の音響システムとを接続した。これで音が出なかったら…。iPadでサンプラーアプリケーションのパッドを叩くと「バキューン」と盛大な銃声が鳴り響いた。よし、とひとまず胸を撫で下ろした私は、引き続き照明のチェックに入る。二年前までは壁につけられていた調光のフェーダーが去年からはユニット後と取り外されて長机の上に乗っている。ちょっと説明が難しいが、つまりは二年前までのR高校のクラス劇では、照明係の生徒さんたちは、舞台の方ではなくて、壁の方を向いて調光のオペレーションをしなくてはならなかったということなのだ。舞台は中央に有り、壁は(壁なんだから)体育館の外側、外周にある。俳優ときっかけを合わせようとしたら、外に向いた壁についたフェーダーのつまみに手をやりながら、首をぐいっと180度ひねって舞台の方を見なければならなかったのだ。そんなバカな話が…。いや普通だろうなと思う。他の高校はよくわからないけれど。そんなもんなんだろうと想像はしていた。ただ昨日のブログでも書いたようにK先生はとても熱意のある方で、ついに「舞台の方を見長良照明操作をできるシステム」を導入してくださったのだ。私はもう本当に感動した。過去の話はさておき今年これで操作ができなければ話にならない。いくつかのフェーダーを上げ下げすると確かに照明がついたり消えたりしている。私は胸を撫で下ろした。これで今年もなんとかできるはずだ。ただそれも先生方にご協力いただけて、の話なのだが…。
「演劇レクチャー」では、ものすごく強引に「一つのシーンを作ってみる」ということをする。クラス劇の書道から順をおって、「どんな脚本を選ぶべきか?」ということ。また人員配置のこと。役者、演出、舞台監督、照明、音響、美術(大道具、小道具、衣装、メイク…)それぞれの部署がどんな仕事をするのかを説明する。俳優と大道具は生徒さんに手伝ってもらうのが毎年の恒例で、「手伝ってくださーい」と挙手を促すも、そこは勿論「はいはいはーい!」と沢山手が挙がるわけも無い。今年はこのデモンストレーション用のに新しく台本(の一部)を私が書いた。去年までは既成の台本の一部を使っていたのだが、どうせなら、と思っ手自分で書いてみたのだ。私が書いたそのサンプル台本を生徒さんに俳優をやってもらい、先生方には「照明」「音響」「ピンスポット」をやってもらって、実演するわけだ。(45分以内に!!!)
銃を撃って、背景のホリゾントが真っ赤に染まる、というのがわかりやすいきっかけなのだけれど、今年からはそれ以外に場面転換をサンプルの台本に入れてみた。大道具さん6人を生徒さんから募集して、その子らに転換をしてもらおうと思っている。これは今年初めての試みだ。やりたいことは沢山でてくるのだけれど、そのいずれもが勿論僕一人でできる物ではない。学校サイドの、先生の協力があってこそだ。私は改めてK先生のいらっしゃらないR高校の体育館に、言いようの無い不安を覚えた。
と、ほどなく先生方がお見えになった。今年から担当していただくことになったY先生もいらっしゃった。Y先生には音響をお任せし、残りの照明(卓)とスポットライトを他のお二人の先生にお願いした。お三方ともお忙しい中笑顔でおつき合いただいて本当にありがたかった。
私は今年もなんとか二百八十人前後の若者の前で「演劇レクチャー」をすることができた。毎年以上に緊張したけれど、新しく担当についてくださったY先生の笑顔に救われた気がしている。Y先生は数学が専門なのだそうだ。終わった後に少しお話をさせていただいた。
今年度もよろしくお願いします。とご挨拶してR高校を後にした。

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