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復活の日

百円均一で買った「補修用針27本セット」から太目の針を二本出して糸を通した。その赤い色の糸はミシン糸みたいに細い奴じゃなくて凧糸ぐらいの太さの、でももっと目の粗い堅い糸だ。妻が手芸用に買って置いてある赤い糸。おそらくアジアとかアフリカとかの物を扱う雑貨屋さんで買った物ではなかろうか。私はこれまで布を縫うことはあっても革に針を通すのははじめてだった。その「元ベルト」の厚さ三ミリほどの革の帯に糸を突き立て差し込んでいく。真鍮製のシンプルなバックルは送料込み2000円でネットで買ったものだ。
お気に入りの茶色のベルトのバックルが壊れてしまったのは二週間ほど前だ。ベルトの穴に通すピンが取れてしまった。おおよそ七、八年は使って来たそのベルトは高価な物ではなかったと記憶している。幅を計ってみると3センチ5ミリだった。新品を買うのは当然のこととして、このバックルだけが取れてしまった革の3、5センチの帯をなんとか有効利用できないだろうか?と考えるのは生来の貧乏性だからして仕方が無い。「何かに使うかも」思って押し入れの隅に放り込んでおいた私はおとついの晩にふっとひらめいたのだ。
「そうだ。バックルだけ買ってつければいいやん」
と。壊れたベルトはバックルが取り外せるタイプではない。(世の中にはボタン式で好きなバックルをその日の気分に合わせて取り付けたり外したりできるタイプのベルトがある。)でも冷静に考えてみればこれって3、5センチの動物の革の帯の先に金具を固定したというだけの至ってシンプルなプロダクトなわけだから、その紐を解いて、金具を巻き込んだ後に縫い合わせれば簡単に修理できるじゃないか。多分そこまでは誰でも思いがいたる。そして分水嶺はその先にある。
「とはいえ、まぁ買った方が早いわ」という人たちと
「思いが至ったが最後、自分でやらないと気が済まない」人たちと。

二本の糸を交互に革の表と裏から差していくようにして針を進めた。youtubeによると「蠟引きした糸」を使うのが本来らしい。途中何度か自分の人差し指や親指に針を突き刺しながら、30分後、無事に「元、ベルトだった革のビラーンとした帯」は見事にベルトに復活したのだった。

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