騎士団長殺し

ほとぼりが冷めた頃にようやく読み始めた。なんというかその冷静に読み始めないとあっとゆう間に読んでしまうから。
村上春樹を読んでいると、ほんの時折、なんかバカにされている気がするときがある。その感じを大切にしたいと思うのだ。

好きな作家の小説。好きな画家の絵。好きな監督の映画。好きなミュージシャンの音楽。その作者にシンパシーを感じるほど、作品にわずかに感じる距離に、違和感に敏感でいたいと思う。それは中二病とはちょっと違っている。と、思う。あいや一緒なのかなぁ。

その少しの距離が、作品に陰影をもたらす。作品自体に描き込まれた影の濃淡ではなくて、見ている僕と作品との間にある空間、隙間。それが大事だと感じる。その隙間に差し込む光が作品に陰影をつける。特別な陰影。他ならぬ「僕とその作品」という特別な関係にだけ立ち上がる陰影。

どこにつれていかれるのか、どきどきハラハラしながら読み進める。恋の始まりのような。幸せな時間だ。

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