自分に対しての詭弁。「許す」とその周辺のダブルミーニングについて。

先にfacebookにあげた文章を少し丁寧にまとめたいと思ったのだけれど、ちょっと大変な作業になりそうだし、そして僕は、もうそろそろ、ここのところから(しばらくは)離れたいと思っているので(台本も書かないといけないし、そんなことを言っている間に赤ずきんちゃんの東京公演が始まる)ほとんど、そのままこのブログに転載します。以下。

「『許せないもの』をどう『許すのか?』」について考えました。
馬鹿みたいだとか不謹慎だとか思われるかもしれないけれど、僕にとってこの作業は切実に必要だった。ブログにまとめようと思うけれど、荒っぽくこの場に殴り書いておきたい。(ごめんなさいまとまりませんでした)

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僕のここのところの混乱について考えてみると、その原因は…

僕が「許す」「許さない」という言葉を使うときに、
(1)「許す」という言葉の意味がブレている。「許す」という言葉にも何種類かの意味、用法があり、それをが定まらぬまま(定めないまま)「一文の中で複数の意味を同時に作用させること」によって、とっても混乱している。
(2)「許さない」対象が、定まっていない。(1)と同じく定まらないまま「一文の中で…(同上)」
(3)「許さない」と「許せない」と「許してはいけない」というあたりも、ずいぶんと混じって定まっていない。自分が「許さない」といいながら、それが「許さない」ということを言っているのか「許せない」「許してはいけない」ということ言っているのか混じっている。(「許せない」と良いながら、「許さない」ということを含意するどころか、そちらの状態の方を強く意識していることすらある)
というようなことにあるらしい。

上の三つをまとめると、僕は「許さない」という言葉を(と、その対象も)二つ以上の意味に解釈できる状態、つまり「ダブルミーニング」として使っていた
ということなんです。
結果、「自分で、自分がどういう意味で何を言っているのかわからない」ということだったと。
(ダブルミーニングはダブルスピーク(ちょっと聞き慣れない言葉ですね。調べてください)として作用して、自分で自分に詭弁を使ってるという、ちょっと信じがたい状態でした!でもそういうことって普段からあるのかもしれませんね)

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まず(1)から「許す」という言葉の意味です。
僕はとにかく、いつでも何でも、なやんだ時には、辞書を引きます。ま、癖みたいなものですかね。で、「許す」という言葉の意味。辞書によって表現や分類は違うけれども、その中から、僕の混乱の元になった二種類の意味についてまとめてピックアップしてみました。
a)
罪や過失を,とがめだてしないことにする。責めないでおく。《許・赦》 「今度だけは-・してやる」 「子供をだますなんて絶対に-・せない」
b )
願い・申し出などをききいれて,願いどおりにさせる。認める。許可する。 《許・聴》 ある行為を,さしつかえないと認める。 《許》「医者から一時帰宅を-・された」 「屋敷への出入りを-・される」

a)の意味で使う場合、「許す」という言葉は「心の動き」を表す動詞ですね。「考える」「思う」「信じる」「憎む」というのと同じです。
「ゆ、許さない」
「ほう、じゃぁどうするってんだ?」
というやり取りを、僕たちは漫画で映画でアニメで小説で何度となく見てきました。(a)の意味において
「許さない(a)」と「(許さないので)どうする」は別のものです。
「心の動き」と「実際の行動」です。
「考える」や「思う」と違って特殊なのはそれ(動詞「許す」)が「責めないこと」「咎めないこと」と否定で説明されることですね。

「許す」=「責めない」
→「許さない」=「責める」

になってしまう。「責める」「咎める」には「心の中の動き」の意味もあるけど、「相手に向かって厳しく言葉や行動をぶつける」場合もあって、だから「許さない」という言葉には少し「行動」を孕んでいるようにかんじられるんです…
でもでもこれってちょっとおかしいんです。
例えば「立つ」という言葉を「座らない」と説明することもできます。
では

「立つ」=「座らない」
→「立たない」=「座る」

かというとそうじゃないですよね。「立たない」状態は、「寝てる」かも「泳いでる」かもしれない。
「立つ」という行為は「座らない」ということでもあるけれど、「座らない」というのは「立つ」という行為の1側面でしかない。同じことで「咎めない」「責めない」という事は「許す」と言う事の1側面でしかないのです。僕たちは未だに「許す」ということを他の言葉でうまく説明できないのですね。結局のところ「許さない」と言うのが直ぐに「責める」「咎める」ということであるかという、そういう場合もあるけれど、そうじゃない場合もある。だからひとまず「許す(a)」については「心の動き」と捉えることにします。


一方「許さない(b)」は、消極的であれ、実際の行動、運動です。「(あることを)防止しない、できない」ということです。「(スポーツで)失点を許す」「入門を許す」

ここんところの僕は、テロやテロリストについて、心の動きである「許さない」と言っているのか、行動である「許さない」と言っているのかわからなくなってしまっていたんです。

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次に(2)についてです。対象です。「許さない対象」も意味がぶれて、混乱していました。
「許さない」のは「テロ」なのか「テロリスト」なのか。
しかしまず、断っておきたいこととしてですね、僕は「罪を憎んで人を憎まず」というよなことをここで書きたいのではないんです。また、それは「罪」と「罪を犯した人」は不可分である(分けて考えられない)と言いたいのでもありません。その疑問

「『罪』と『それを犯した人』を分離して、罪だけ憎めるものなのか?、またそうするべきなのか?」

に関しては一旦保留します。そこまでのことを今回言えるとは思っていません。その疑問(最後の関門というか)の手前に、いくつか「まだクリアにできそうな問題」があるので、そちらから考えたいと思います。

それは時間のことです。「テロ」か「テロリスト」なのかもあやふやでしたが、それと絡まり合って、対象が「過去のこと(実際の今回の事件など)」なのか「今後のこと未来のこと」なのかが、混じってしまっていました。

「今回の事件のテロリストを許さない(a)」
と言っているのか
「未来のテロ行為を許さない(b)」
と言っているのか自分でわからなくなっていたということです。

・・・・・・・・

まず、「許す(a)、(b)」それぞれの対象、射程について考えます。(b)が対象とするのは「ある行為、事象」です。「失点、入門」等。ですから「テロを許す(b)or許さない(b)」ことは可能です。でも「テロリストを許す(b)or許さない(b)」は不可能です。「テロリスト」は行為じゃなくて「行為者」つまり、物だからです。「怪盗ルパンの侵入を許さない(b)」ことはできますが、「怪盗ルパンを許さない」と言ったとたんにそれは(a)の意味に変化します。

でも抜け道的に「怪盗ルパンが存在することを許さない(b)」ことは可能でしょう。それが「存在する」という行為運動を対象としているからです。
「存在することを防止する」→「存在させない」ということ。
そしてそのような使用方法は実に実におっかない(これについてはまた後で触れます)

・・・・・

では、「許さない(b)」の対象が過去のことなのか未来のことなのか?
今回の事件(過去)を未然に防ぐことが、僕たちにはできませんでした。つまり「失点を許した」のですね。

過去)僕はテロを許した(b)(許してしまった)。

そして、この先、未来においてこんなことが二度と起こらないよう。それでも起こるのだろうけれど、それでもそれでも限りなく少なくするために行動してゆきたい。

今後)僕はテロを許さない(b)。

(b)の意味において、その対象が過去のことなのか未来のことなのかで、まったく逆になります。

過去のこと、つまり今回の事件に関しては「許す(b)」の意味において、私たちは「許してしまった」んです。テロを防止できなかった。ふせげなかった。失点を「許してしまった」
そして「今後」を対象として考えるのであれば、もちろん「許さない(b)」。許してはいけない。本当に二度とこんなことが起こらないように。そう希求する。
しかしこれも冷静に考えると「今後テロが起こることを許さない(b)」というのは、あくまで希望、欲望です。何せ未来のことだから。この場合の「許さない(b)」は、あくまで過去のことについて、私たちがそれを望まなかったことが「起きた」のであれば「許した」ことになるし、「おきなかった」のであれば「許さなかった」ということ。このときの「許すか許さないか(b)」は僕たちと、対象(テロ、テロリスト)との間、その両方にまたがる領域についての言及です。だから
「(今後)テロを許さない」
というのは「今後、テロを許したくない、許す訳にいかない」という決意表明であり、「海賊王に俺はなる」といっしょなのだ。言うのはいい。言わなきゃならないとも思う。しかしその言葉だけをとらえると、それはただ「僕たちの希望」でしかない。
「今後テロがおきることを決して許さない(b)」という宣言について、僕は強く強く同意する。しかしそのため(テロが起きないようにする)にとるべき行動としては、総理大臣だけじゃなく、日本人の過半数以上が考えている方法と、僕が思いつく方法はどうも違うようですが。

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じゃあ「許す(a)」については?(a)の対象は「行為、事象」でもありえるし、「(個人、団体と言った)物」もその射程に捉えます。「罪」も「罪人」も許す(a)ことは可能だし、許さない(a)ことも言葉の運用としては可能です
でも、この心の動きの「許す(a)」においてもまず(過去)について、今回のテロ、およびテロリストたちを「許す」気にはとてもなれない。難じられるべき咎められるべきだと思う。いくらこちらの総理大臣がイスラエル国旗の前で挑発ととられかねない言葉を言おうが、「殺されたって仕方がない」わけがない。

では(今後、未来)についてはどうか?未だなされていない罪や罪人について、あらかじめ僕たちは「許したり許さなかったり(a)」できるのだろうか?
※実はここでどうにも暗礁に乗り上げてしまった。丸一日考えても結局ここについてはこんがらかってしまってよくわからなかった。でもその「こんがらかりかた」がちょっと異常なぐらいだったので、これは「未来の罪をあらかじめ許すことができるのか?」という思考実験に、また他の要素が絡んでるんだろうな…と、思っていたらば、案の定、その通りだった。
「未だなされていない罪」について考えている間に、「許す、許さない主体の僕」の方が未来に行ったり戻ったりしてきて、それでなくてもややこしい話が更にややこしいことになっていたのです。

「未だなされていない罪を、現在の私があらかじめ許す(a)こと(許さないこと)が可能か」
というとに関しては、わかりません。置いておきます。そんなことより重要なのは、
「過去になされた罪を、未来の自分は許す(a)ことができるのか?」
ということだったのです。そりゃそうですね。

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もともと「許す」は「緩む」から派生しているそうですね。古語では「手放す」というような意味でも使われているらしいです。「許す」ということのコアは「リリースする」「手放す」ということにあるみたい。
心の動きでいうと「こだわらないこと」「とらわれないこと」でしょうね。

今回の事件の犯人のテロリストや、テロ行為に「とらわれない」「こだわらない」ことが、未来において可能であるかどうか?について、これは積極的に「可能でありたい」と思うんです。
そもそも彼ら(テロリスト)は、決して償うことなどできない。んですから。金輪際、埋め合わせることも取り戻すこともできない損壊です。総理大臣の言っている「償わせる」の意味が分からないのはそのせいです。彼らには決して償えない。

人が殺されるということはそういうことです。テロに限ったことではない。
更にもう一つ言えば「人が殺される」ということに限ったことでもない。どころかすべての「棄損」がそうですね。時間は巻き戻らないのだから。「同じもの」がかえって来て埋め合わされることなんてない。それらはすべて「代わりのもの」つまり「代償」としてやってきます。
そしてより重要なことは「棄損」されているのが「物」だけではないということです。仮に僕の財布から一万円が盗まれたとする。一週間後に同僚が一万円札を差し出して、「悪い、借りてた。返したから良いだろ?」と言われたときに僕は彼を許すだろうか?より重要なのは「あの一万円」が「違う一万円(代償)」としてかえって来たということではない。そのことによって棄損された「僕の心の中の負の感情(憎しみだとか)」が問題なのだ。改めて冷静に見つめてみればこの「物が棄損されること」と「(それに伴う)心を棄損されること」との間には、そもそもそれ(物)が「償われたとき」において、比例的な関係にあるとは言えない。ズボンにビシャっと水をかけられたとしても、美人の彼女が「ごめんなさいっ!」ってあやまれば、「心の棄損」は一気にプラスに転じることもある。
「心の棄損、負の感情」は、誰にも代償できない。自分以外には。他人に傷つけられた自分の心の傷は、自分で埋めあわせるしかない。他人に僕の気持ちを埋め合わせることはできない。それは僕の気持ちなのだから。他人にできるのは、せいぜい「なくした物の代わりになりそうなものを、差し出す」ことだ。そしてこと「人が死んだ」というようなことになると、それすら不可能ということになる。
大切な物が失われると、それと同時に僕たちの心もひどく棄損されます。その欠損を埋め合わせることが、つまり「許す(a)」だと思うんです。とらわれない、こだわらない。リリースする。逆にリリースされるということかもしれません。むずかしいですけれど。そしてやっとこ忘れられるのかもしれませんね。

いわずもがな、「自分がおった心の傷、抱えている負荷、奪われてへこんだ穴」と、同じものを相手に与えること(復讐)によって、自分のへこみが埋め合わされることはない。埋めることの難しい穴がまた一つ増えるだけだ。これが憎しみの連鎖ということですね。

1)私の心の傷を埋めていくのは、私の仕事だ。他の誰にも決してその仕事はできない。
2)そのことによってしか私は「救われ」ない。その傷、憎しみなどの負の感情は、「毒」や「膿み」に似ていて、体の中に長くとどめていることはとてもしんどい。「重り」にもにている。日常生活を同じように送っていても5キロのリストバンド、アンクルバンドをつけているのと、なにもつけていないのでは疲弊の仕方がちがう。そんな風に人生を過ごし続けるのはつらいと思う。
3)だから、いずれそれは、「捨てられるべき重り」だとおもう。つまり、その負の感情にこだわらないこと。そこにとどまらないこと、とらわれないこと。「許す(a)」ということ「忘れる」と。


私たちは、大切な人を失ったときに、その傷が「いやされない。埋め合わせられない」ことによって、「失われた人の大切さ」を担保しようとすることがある。そういう心の働きがある。「こんなに大切な人を失った私は、そうそうといやされたり忘れてしまったり許したりしてはいけない」のだ。仮にやすやすと許したり忘れたりしてしまったら「自分はなんて薄情なんだ」と自分をせめて苛む。その感覚じたいは悪いことじゃないと思う。けれど、本当は「失われた人」と「私の心の欠損」は別の物だ。「人の命」の取り返しのつかなさ、大切さは、「私の心の欠損」なんかとは関わりがない。それは絶対的な物だ。だけれども、僕たちは「自分が許さない」ということによって、殺された人のかけがえのなさ」を保持しようとする。言い換えると「自分が許す」ことによって「殺された人の大切さ」が失われるのではないか?と恐怖する。
よく考えてみよう。こんな不遜なことはない。僕がどんなであっても彼らは尊い。※とりわけ今回のことで言えばどうだ?僕は何を失った?何も失っていない。彼らの命が奪われた。彼らは僕の持ち物ではない。僕たちは同じ物に属していたけれど、「僕の心の欠損」で「彼らのかけがえのなさ」が量れるか?彼らは「心、丸ごと」と「体」も「未来」も奪われたのだ。僕という一人の人間の心の欠損の比較できるものでは、そもそもないのだ。

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僕がモヤモヤしていたのは

「テロを許さない」という主張に同意することで、その語が含んでいるダブルミーニング、裏の意味、別の意味にまで同意の署名をしたことになるんじゃないのか?

ということでした。
『今後テロが起こることを許す(b)わけにいかない」
ということには同意する。またその決意表明として
『テロを許さない(b)」
と言うことにも同意する。しかし、それ以外の意味においてはそうではない。

それ以外の意味とは、まず一点目。
『この先未来においても、今回の事件、また犯行に及んだテロリストを許さない(a)」
上の意味において、「テロを許さない」という言葉に僕は同意しない。
「私たちはテロを許す訳にはいかない」のは(b)において同意だけれど、(a)に置いては同意しかねるということ。今は到底許せる気持ちではないけれども、すくなくとも他の誰かが「心の中で、何かを許す」ことを止められるわけもないし、それを僕が許可したり強制したりすることでは決してない。(いつまでも憎みっぱなしで、そんなしんどい生き方をすくなくとも他人に要求する?馬鹿げている)

そしてもう一点。これが一番おっかない意味の地滑りだと思うのだけれど
「私たちはテロを許す(b)わけにはいかない」
というテーゼが、いつの間にか
「私たちはテロリストを許す(b)わけにはいかない」
と変化すること。(あるいは「テロリスト」と「テロ」という意味が癒着した状態で「テロ」という言葉を使う←僕がまさにそういう状態だったのですが)先に書いたように「許す(b)」対象は「行為,事象(ex.失点、入門)」なのだから、本来「テロリストを許さない(b)」という言葉の使い方はできない。その使い方をしたときに「許す」は(a)の意味(咎めない、こだわらない)として作用するはず。でも
「テロリストが存在することを許さない(b)」
ということは可能で、意識的にあるいは無意識的にその「が存在すること」を言い落とすということもあると思う。仮に「テロリストが存在することを許さない」という主張であっても、僕は半分それに賛成する。(それがとっても厄介なのだ。
「テロリストが存在しない」ということには二つの場合がある
1)テロリストがテロリストでなくなる。テロをやめる場合。

2)テロリストがみんな死んでいなくなる場合。
いわずもがな、僕は1)の場合に置いて「テロリストの存在を許さない」ことに同意する。そして2)の場合に置いてはこれには反対する。

自分に向けた詭弁だ。おっかないなぁとおもう。「テロを許さない、テロを許さない」と唱えている間に知らぬ間に「自分が意図しなかった意味にまで、自分が同意した気になって、それが体にしみ込んでくる」ことはあり得ると思う。言霊や呪文というものは本当にある。演劇をやっているからそれはよくわかるんです。本当に「言葉」を甘く見てはいけない。そして特筆したいのは、これは逆のことも言えだろうということです。
「憎しみの連鎖はいけない。『許さない』ならどうするっていうんだ?」と唱えている間に、自分の意図していなかった「許す」ということまで体にしみ込んでくることもあり得るだろうとおもう。

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テロリストたちには決して償えない。
まずは奪われた命について。そしてそれを悲しむ一人一人の心の欠損について。
彼らによってもたらされた、心の欠損の埋め合わせは私たち一人一人が自分でするしかない。不条理だけれど。
それは「許す(a)」ということだ。それは彼らの為じゃない。自分の為に。
「テロは許す(b)わけにはいかない」けれど、それぞれが「許す(a)」ことについて私たちは自分を含めた誰に対しても、「許すな(a)」とも「許せ(a)」とも強要できないし、するべきじゃない。また「テロリストの存在を許さない」ということ関しては「テロリストでなくなる」ことによって達成されるのであれば同意するけれど「テロリストを掃討する」ということによって達成されるのであれば反対です。(というかできない)

結論

①私は
(今後)テロを許さない(b)」
ということには同意します。
「私たちは(今後)テロを許す(b)べきでない」
ということにも概ね同意します。

②ただし「許す(b)」の意味においてそれは必ず(今後)についてのことです。(過去の、今回の事件に関しては、それを許してしまいました)

③そして「許す(a)」の意味において
(今後も引き続き)テロ(、テロリスト)を許さない(a)」
に関してはわかりません。むしろ許せるようになれば良いのにと思います。
「私たちは(今後も引き続き)テロ(、テロリスト)を許す(a)べきではない」
に関しては、まったくそうは思いません。ナンセンスです。
④また
「テロ(リストの存在を)許さない」「私たちはテロ(リストの存在を)許すべきではない」
という主張には、それが「テロリストでなくなる」というやり方で成し遂げられることを強く願いますが、「テロリストを殲滅する」ということで成し遂げようとすることには強く反対します。

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「許せない」「許さない」「許してはいけない」
この辺りの言葉の使い方もとっても気になりました。

「許さない」というのは「許す」という動詞の未然形ですね。「そうなってない」ということです。
「許せない」というは「可能動詞」です。この二つの差異は実はとても重要だと思っています。

未然形というは、あるテンションを孕んでいます。「未だ然らず」ということ。例えば僕が今座っているとする。そのとき
「座っている」というのか
『立ち上がらない」というのか。同じことをさしていても、『立ち上がらない」には、「座っている」よりもずいぶんとテンションを感じませんか?

「黙っている」と「声を上げない」
「(そこに)ある」と「落ちない」

「許さない」というと、なんだかとても張り詰めている感じがしますが、それならまだ「責める」「咎める」と表現したほうが、落ち着いている印象を受けます。
「「許す」は「緩む」から来ているそうです。
(最後に語源に話を戻すのが実に定型的で我ながら小賢しいというか不誠実な気さえしますね。)
いきなりテロリストを許そうとすると言うのは到底無理です。
でも、だからまず
「許さない」
という言葉に満ちるテンションを「緩める」てみます。
「許せない」ぐらいにまで。(同じ未然形ですね。でも可能性の話をしてる分、ずいぶんとテンションが緩んで感じます)
テンションを緩めて「そうだ、私は今『許せない』んだ』と、とらえ直すこと。「許せない」という「状況」「状態」であると。

その状態で、初めて「今後テロを許さない(b)為に、具体的にどういう行動をするべきなのか」について考え始めることができるだろうし、また言葉のダブルミーニング、詭弁にも気づくことができるのだろうと、そう思っています。

「テロに屈する」という言葉にもまったく同じそういったダブルミーニングが潜んでいます。
自分が同意する「屈しない態度、行動」

「よしとしない「屈しない態度」
をきちんと選別し、見分けないといけない。そして、そういう作業はテンションがかかった状態では到底無理だと思います。

僕が同意する「テロに屈しない」態度というのは、奴らの土俵に乗らない、奴らのルールを認めない。ということです。(むしろその意味で「無力化する=殺しちゃう」というのは「テロに屈している」と感じます。)だから僕は「テロに屈しない」ということには賛成するのですが、「空爆をする」というような「屈しない態度」には賛成できません。


田中遊

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