「このしたPosition!!」とFM802

水曜日だけしか伺えませんでしたので、「カチカチ山」と「駆け込み訴え」を拝見して来ました。
舞台を見て「楽しめる」という距離感は「リーディング」の持つ一つの大きな魅力のような気がします。「カチカチ山」は山中さん、川田さんのお二人で。なんかゆったりするんですよね客席で。(もちろんそれは設えや導入の持って来かたとかもあるんですが)演者とお客の間に「本」がクッションとしてある気がするのです。だからなんかリラックスしてられるんですね。ほんの前で「演者もお客も平等」な気がするのかな。
例えば子供に本を読み聞かせる。その体勢に近いと思うのです。膝の上に子供を座らせて絵本を前に立てて。つまりその時僕と娘は同じ方向を見てるんですね。声に出して呼んでいるのは僕(リーディングする俳優)だけれど、それを聞いている娘(観客)と目線の方向が同じなんです。対して、普通のお芝居は、俳優と観客は基本的に「向き合う」ものだと感じます。その違いはとてもとても大きい。

話はちょっとずれますが、僕がFM802をすきな理由はそこにあります。全国的にも珍しい(らしい)のですが、FM802(大阪のFM局)は基本的にどの曲も「フルコーラス」かけます。2番も3番も。アウトロとかは消えたりしますし、イントロにDJの声はかぶって来ますが、でもそれでもこれって、いいんですね。うん。僕は好きなんです。AMラジオとかで、おざなりに曲かけたりするのは言うに及ばずですが、
ラジオから流れてくる曲を「途中で切る、権力」をDJやラジオ局が持っている。
ということはつまり、あくまでその「曲」はラジオ局にとって、「商材」というか「道具」というか、なんせ、「曲をどこまでかけるか?の判断。その自由を有しているもの」は、その時、「その曲」よりも上位にいるのです(と感じる)
DJ(ラジオ局)があって→その下(手の中)に「曲」があり→その下(電波が流れた先)に、僕(リスナー)がいる。

そこが違って感じるんだと思うんです。最大限に「曲、音楽」へのリスペクトがあり、だから「基本フルコーラス」かける。
となると、「曲、音楽」がテッペンで、それに対して、僕(リスナー)とDJ(ラジオ局)が平等というか、同じ立ち位置から同じように「これいいよね~」って曲を見上げてる。
だから親近感が湧くんだと思うんです。

リーディング公演もそういう事があると思っていて、演者に求められるのは、先ず以て「その文章に対しての愛情、尊敬」なんだろうなぁと思う次第です。

ま、それはそうとして、「カチカチ山」のはなし。ドロ船で漕ぎ出したシーンは瞠目しました。空間がグニャってなって。でもそれだけにもう少し、あそこは振り付け(動き、揺らぎ方、体の使い方ですね)をタイトに演出されてればいいのになぁーって。ま、好みですが。もったいないという言い方は不遜ですが、「読んでいる」演者の世界と「ウサギとたぬき」の世界が重なって混じって、西陣のあの空間が確かにいっとき歪んだので、ええ。
あと少し気になったのは、ウサギ(少女)の、「絶対性」についてでしょう。神話に関して僕は、洋の東西を問わず不勉強なのでイメージだけで書いてますが、神様って、よく「え?なんで?」と理解し難いような行動をとる気がしていて…
僕らの「条理」からは、行き過ぎであったり、あるいは全くその延長線上にない振舞い。
ウサギとは、それの持つ「処女性」や「残酷に見える側面」というのはそういうもんじゃないかしら?と思うのです。
それは八百万の神様みたいな「関係性」の中にはない。「対(ツイ)を絶する」つまり、条理とか、「因 - 果」とか、関係性とか関係ない、屹立した存在。狸が醜男だろうが、狸が白鳥だろうが、昼が夜だろうが、関係なく、「ウサギはウサギ」で、あのようにある。まわりにとってみれば、地震や台風みたいなものだろうと。

その「絶対性」。つまり「周りとは関係が全くない」感じ。の事を、時々僕たちは「神々しい」なんて言ったりしてるんじゃないかしら?と、すると、「ウサギ」のテキストの読み方、演者の在り方は、演出の仕方がもう少し違うのかもしれないなぁとか、思いました。

うってかわって、二口さんのはリーディングじゃなかったです。本も持っていません。しかも「駆け込み訴え」ですから、観客としては「訴えられてる感」が半端ない。これは本当に「対面」させられるわけです。リラックスのリの字もありませんでした。
終演して、客席から「ふうー」と深く息をつく音がいくつも。そらそうです。みんな「息を詰めて」見てたんですね。
あの感じはとても素敵ですね。
「リーディング」ではもう、全くありませんでした。そうなるとこれはもう、「お客」目線では見てらんないのですね。僕、近く一人芝居するもんですから、ええ。「ラーメン屋がよそのラーメン屋に食いに行く」モードで見ざるおえない(苦笑)
二口さんの台詞や体や気持ちの動きを追いながら、「なるほど、そうくるか」とか「間の取り方は、やっぱ落語すげーな」とか、そんな事考えながらあっという間に終わったのでした。
こちらも好みですが、「現在進行形で揺らいでいる」姿がもう少し前面に出て来た方がグッと来るなーなんて。

さ。そして今夜は地点を見に行きます。た の し み。

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