高校三年のスキー旅行。冷や水

高校三年生の時だと思う。
ラグビー部のメンバーでスキー旅行に行ったのです。同学年で。

まぁうかれていたわけです。で、夜にですね、辺りも暗くなり、カクテルライトに照らされるゲレンデがきれいだなーなんて、時間帯にですね。僕らスキー板はとっくに脱いでてゲレンデのふもとにいてまして、「じゃ、ナンパをしよう」ということになるわけです。自然の成り行きですね。ぼくらは10人ぐらい(三年生で15人チーム作れなかった気がするから多分これぐらい)の、もう汗臭い18歳の少年たちでしてですね、でもそれに釣り合う女の子の集団なんていないわけです。「10人ぐらいの同年代の女子ばかりの集団」ってまぁ見つからない。これもうコンパですからね。2〜3人でとかならナンパとしてありえるんですが、10人ってもうすでにして相当ハードルが高いわけです(笑)でも、そこはそれほど根性すわってないラグビー部の面々でしたから、「じゃぁ、3人組に別れて……」ってなことにはならずにですね、10人固まって、ヘラヘラ笑いながらね、女の子に声をかけたりしてたんですね。

で、完君がですね。(もう、どんな人とか説明しだすとバカ見たい長くなるのでカット。でも完君は僕の大切な友だちです。植木屋でも一緒だったのさ)ナンパしたんです。
多分、相手は女の子3人。結果、なんか「おごってくれるならオッケイ」みたいな話になったのかな?たしか。
で、まぁ、どっかいきましょう。と。
どこいく?
まぁ、ふらっと歩いて。
ここ、下った所に飲み屋あるみたいよ?
というような流れでですね。
女の子三人が先に歩いて、その後ろを僕ら10人があるいて、ゲレンデから続いて下ってく道をおりていってたんですね。

で、小声で僕らは相談します。しますとも、そりゃ勿論ね。まずこの人数のアンバランスについて。だっておかしいでしょ?10:3ですから。楽しくないのが明々白々に想像できるわけです。
ナンパ自体がゲームですからそれはそれで楽しかったのですが、いざこの「あり得ない人数比」で、しかも「おごりで」、かつ、(これあんまり言うとあれなんですが……)「それほどかわいくもない」女の子たちと時間を過ごすことに、ちょっと不安と言うか、まぁはっきり言うとうんざりしてきまして(ひどいですね)
で、「どうする?」みたいなことを小声で相談してですね。「どうする」もなにもこっちから声かけてますからね。
しかも、もう「どっかの店に行こう」みたいな流れですし、歩いてますし。

まぁ、ひどい話です。でも本当にひどいのは完君で(笑)
みんなで小声で相談したり顔を見合ったりしている途中いきなり、

「逃げろ!」

っていって、横道にそれて走り始めたんです!ヒデーでしょ?最低なんです。でも僕らも一斉に彼について横道に入ってですね。走ったわけです。
もう彼女たちも、走って追いかけてくるわけはないんですが、それでも僕らは走りました。
あとからわかったんですが、それは道からとあるペンションだかなんだかへの引き込みの道だったんですね。

で、その道からしばらく奥に入った辺りですね、先頭を走る完君に悲劇が訪れたんです……。
勿論冬の話です。雪がつもっていてですね。
先頭を走る完君。が、急につまずいたんですね。前のめりにこけて。で、「バシャーン」っていう音がして。

池に氷が張っていて、その上に雪が積もってたんですね。夜だったし灯も暗く、運悪く、(もしくは自業自得で)完君は真冬の極寒の池にダイブしてしまったんです。後続の僕らはなんとか、足だけで済んだりしたのですが、完君は完全に全身でダイブしてしまって。

これはね。もう大爆笑でした。高校三年間の中で、僕一番笑ったかもしれません。
無理からナンパしといて、やっぱり冷静になると「無いな」となって、からの「逃げろ!」からの、真冬極寒の池にダイブ。ですから。

で、完君ブルブル震えながらですね。僕ら10人は僕らの宿へとランニングな訳です。もう本当に「ぶるぶる」震えるんですね、人間あそこまで寒くなると。

で、僕らゲラゲラ笑ってあとついて走ってるとですね。
佐野君ですね。

佐野君がですね。僕と、あと岨中君たちもだろうと思うんですが「腹がよじれる程わらいながらランニングしている」面々に向かってですね。

「笑うとこちゃうやろッ!!」

って、一喝したんです。
いや確かにね。完君もう、「震えたくて震えてる」んじゃなくて、もう体の防護反応として自然に震えてる状態だったんです。なんかあんまり見た事ないぐらい早い速度で振動してたし。

いやでもそれ含めて、「笑う所やろう」と僕は思ったのですが、佐野君があんまりシリアスなもんだから。ね。
なんか。悪いなって。佐野君は「大丈夫?」「もうちょっとやで、頑張って!」みたいなことを完君に言いながら並走していて、多分彼の中では「救急車レベル」の出来事だったんですね。
笑う所やろうとおもったんだけどな、僕は……(笑)


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そんなことをふと思い出したのは、オリンピック開催地決定とそれへの僕の周囲のリアクションに触れての事です。

自分がマイノリティーであることに気がつく事は、実は相当むずかしい。
マイノリティーであればあるほど、身を守る為に、精神衛生を計る為に、マイノリティーどうしで集まるからだろう。
しかもギュッて固まる。硬化する。そうしないと溶かされたり押しつぶされてしまうから。

それはもはやマイノリティーがマイノリティーで居るための条件なのかもしれない。少数「派」なわけだから、つまり『少数であっても「派」を形成し維持する為』には、多数派のように「のんびり」「ゆったり」はできないんじゃないかしら。

結果、周りには「変わった人達」がひしめき合って、その外側が見えなくなる。手を伸ばそうにもその塊が壊れないようにそれぞれの手をつなぐ事で必死なのだ。

多くの人が指摘しているように「オリンピックがあることによって、事故の収束作業や、東北の復興が更に進む」というのは、本当に本当にふざけた話で。
オリンピックが来ようが来まいが、それだけは、僕たちが全力でやらなくちゃいけない。

オリンピックに関わるスポーツ競技をされている人々や、今回であれば東京都の関係者が、それこそ開催を熱望する気持ちは想像にあまりあるけれど、それが「(日本国民の)希望」だと表現されると、それはどうなんだろう?と思う。

いや、いいたいことは「オリンピックで、盛り上がれなくて残念」ってことでも「オリンピックやだ」でもなくてですね。僕が大事な事だと思うのは、そういう「なんか喜ばしいニュースのはずなんだが、どうも喜べんな」と思っている(僕を含めた)人々は、少数派だということ。

と、
でもsnsや身の回りでは、圧倒的に「喜んでいる人が少ない」んです。
僕の近しい人、身の回りにいる人、特にネットなどで繋がっている人は、とても偏っている。「世間」ベースで考えると逆転してる。という事実にですね。改めて愕然としているのです。

原発の事もそうなんですが、(ネットも含めた)身の回りには圧倒的に「可及的すみやかな原子力発電からの撤退」を希望、指示すると、そう表明している人が多いんです。
ただ、そうじゃないですよね、この前の選挙結果からしても。逆なんです。

で、こういう時に、少数派がですね、互いの手を強く握り合ってですよ。バインドをもっとぎゅっとする。固く小さく固まる。
というのは、これはうまくない。もうそれこそ、「卒原発派」の人々家族が全員淡路島に引っ越して、日本から独立するってんならね、まだ話の筋は通るのです。意味は無いですが(笑)あ、淡路島じゃなくて四国にしときますか。希望的観測として。

ま、いいや。でも「分離」「独立」できぬ、せぬ覚悟であれば(普通そうだと思うのですが)僕たちは逆に「結んだ手を緩め」なくてはいけないと思うのです。

少数派は「派」であり続ける限り、結局なにも変える事が出来ない可能性が高い。
それよりは「派」でなくなって、それぞれが粒になって、溶けてしまう。カップのコーヒーに角砂糖が溶けるように。
僕たちが望むような「スーパースイートな世界」は必ず到来しないだろうけれど、それでも全体が少しは甘くなるでしょう。
社会党は溶けてなくなったけど村山談話は踏み絵として残った。みたいな事だと思うのです。村山談話の事の是非は僕にはわかりませんが。

多数派はサイレントでも、つまり黙っていても、望むように、その形に近く世界が作られていくので、お上品なんですね。それも相まってノイジーマイノリティーは、錯覚しやすい。「だってそうやん!」「あたりまえだろ!?」というようなタコツボで身を寄せ合ってしまう。「そうでもない」し「あたりまえでもない」人の方が多いにも関わらず。

で、その分断は、正に「社会の階層化」です。「オリンピック」を諸手を上げて喜んでいる(スポーツ関係者じゃなくてね、『景気ようなるでー!』とか言っている)ような人達にとっての「望む未来」なんです。

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高校三年の時の話。
佐野君にも、なんか思う所があったんだろうと思うんです。オジイサンが冬山で遭難して亡くなったとか。(いやダメな冗談ですが)でも、そこんところは僕にはわからないし、理解もできない。

オリンピックのこともきっと似たような側面があると思っていて、なんせ喜んでいる人も多いわけだから「そう言う人らに冷や水かける事はないか。」というのが今んとこ僕が考えている事なのです。


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