会話5

それは「10→1」話法です。

僕含む世間の男の人がよく
「結論を言ってよ」「オチは?」「で、何が言いたいの?」
と言うのは、けっして「簡潔に報告せよ」って意味じゃないのです(そういう人もいるだろうけど)男だっておしゃべりしたいのです。

「結論から話し始めると会話になる」

というのは、台本を書くときの基本的なやり方でもあるんです。
僕が演劇を始めた時にはとくにそういう「圧力」というか「美意識」みたいなものがありました。どういうものかというと

一人の役者が長い「説明台詞」を話すことよりも、
何人かの役の会話でもってその情報が開陳される事が望ましい

というものです。よくわからんのですけどね、これ。狂言回しを嫌ったんですね。会話劇ってすばらしい!みたいな?(笑)(まぁ、今現在もそう言う圧力は己の意識下にありますかね・・・?)

話がずれました。「結論から話し始める」のです。電車の例で行くと
10私はすっとした。
から話し始める。

a/今日、すごくすっとしたわ。
b/ん?なに?
a/おばあさんが若い男に、ビシって注意したのよ。電車の中で。
b/なにを?
a/イヤホン。
b/あー。音漏れ?
a/そう、私の隣に立ってたのね。その人。
b/おばあさん?
a/若い男。
b/ふーん。若いって学生?
a/かな?いや私もその男に言おうと思ったの。
b/何で言わなかったの?
a/だって・・・


どうです?なんか騙されてる気がしますか?でも騙されたと思ってやってみてください。
つまりこの「10→1」話法は「かまってチャン話法」なのです。みんなが居る休憩室で
「あー。むっちゃ眠いわー・・・。」とか「もう最悪やー」とか言い出すのと同じ。

それでいいのです。つまりその「かまってチャンな私」を引き受けてさえやれば、バトンは相手に回っているのです。
相手は当然「あなたが聞いてもらいたがっている」ことは了解します。それに対して誠実な態度をとらないのであれば、それは相手が悪い。つまり

「その相手はあなたとは話したくない」という意思表示をしたことになります。

a/今日、すっごくすっとしたことがあったわー。
b/あ、そう。よかったね。

コレはもう明確な拒否ですから、これは公然と非難してよろしい。
逆に「1→10」話法で話し始める限り、相手の「相づちをうってるだけ」という態度に正当性をあたえてしまうことになるのです。
「なんで?」とか「どういうこと?」とかいう「疑問」を持たせること。「質問」させる事

シンプルに言うと会話の技術とは
「いかに相手に「え?どんなの?」と尋ねさすか?質問さすか?疑問文をはなさせるか?」
ということなんです。相手が質問しやすいように言葉を投げる。穴であったり、欠落であったり。
で、それは自分自身の中に「疑問文」がない人には出来ない作業です。
ある文章、人の話。それに対して、いくつも疑問をあげられる人が、翻って「相手に、疑問を差し挟ませやすい話し方」をすることができる。
でもまぁ、「思いついた事を思いついた順番で」話してると自然とそう言う穴ぼこだらけの言葉になるということもありますがね。

なにしろ、結局は「興味」です。
娘と僕との会話が弾むのは、互いに「興味津々」だからです。特に娘は「なんで?」「どうして?」「どうやって?」と日々、疑問に次ぎ疑問が止めどなく溢れ出る時期ですから。
「子供は感受性が高い」なんて事を言いますが、
「感受性が高いから、世界のいろんな情報をキャッチして、それに対して疑問を抱く」
というのは順番が逆だろうと思います。すなわち
「世界に対して質問し続ける、から、その分情報が入ってくる」のだろうと。

求めよ。されば与えられん
how are you?
から始めてみると会話は結構簡単です。
会話の本質は「話す事」ではなくて「質問する事」にあるのです。
その質問はどこからくるか?やっぱりそれは、相手への興味だろうと思います。
話しているコンテンツ、内容によりも、相手の方に興味があれば、自然と「10→1」話法になるとも言えるのです。
なぜなら、「話の内容に」よりも「相手に」興味があるのなら、「話の内容」は適当にならざるを得ません。自身がそれを克明に説明しきる事なんかよりも、「話を聞いた(聞いている)相手がどう思っているか?どう返して来るか?」に集中したいはずですから。

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