会話4

「誰に話すのか?」よりも「何をはなすのか?」に比重がかかってしまうと大概うまく行きません。
それは「報告」「伝達」に近くなるからです。
しゃべっている内容が「確かに」なればなるほど、それは「報告」「伝達」に近くなる。
なぜかというと、人間の「注意力」「意識」は有限だからです。「コンテンツ」に重点がうつって行くと、比較して「相手」が薄く軽くなる。これは仕方がないのです。で、いきつくところは

「相手が軽くなる→誰だっていい」

一方がそれを発信し、他方が受信する。その連続。受信者と送信者が固定されたやり取り。これは「会話」とは少しフォーマットの異なるコミュニケーションなのです。

よくやってしまいがちなのが「1から10まで順番に全部話す」という話くち。
もちろん「その相手」に知ってほしいし聞かせたいから話し始めるのだけれど、それを「仔細に逐一」話そうとする結果、「内容を全て」伝えるための努力が、「その相手に話していること」を上回ってしまう。コレは聞いている相手に「俺じゃなくてもよくない、その話聞かすの?」と思わせてしまうまずいパターンです。(勿論、「報告」がしたいのならそれでいいのです。「会話」としてはうまくないといことです)

1今日の朝。
2通勤で乗った電車の車内で
3となりに立っていた若い男のイヤホンから、不快なほど大きな音が漏れていた。
4注意しようかと思った。
5が、彼以外にも周囲にそう言う人は居た。
6彼以外のその人たちは、私からすれば許容範囲の比較的「遠慮がち」な漏れて来る音であった。隣の男の音量はちょっと異常だと思えた。
7ただ、ちょうど隣になったからそう感じたとも言える。何しろ私の主観でしかない。「車内でのマナー」がどうということをいいたいのではない。
8ただ言うとなると、やっぱり面倒くさい。が、言いたいのに言わないのでドンドンイライラして来た。そうして電車は一駅走って、私は場所を移動した。
9次の駅から乗り込んで来たおばあさんが件の若い男の隣にたった。おばあさんは、顔をしかめて、その若い男の肩を叩いてイヤホンを外させて、「迷惑です」とはっきり言った。言われた若い男も素直に「すいません」と音楽を消した。
10私はすっとした。

という話があったとする。
これを1~10まで順番に話して行くと、どうなるか?

A/今日ね
B/うん。
A/朝の電車でね。
B/うん。
A/隣になった男の人のイヤホンからすっごい音が漏れてたの。
B/うん。
A/それでね、注意しようかとも思ったんだけど。
B/うん。
・・・・

相づちを打つしかなくなる。(笑)でもコレは結構頻繁に起こる現象です。
そしてこれは当然なんです。

1~10で完結しているものを分割しているだけなのだから、そこにインサートできるのは「next」という「送り」。つまり相づちだけなんです。おもいきって話を横にそらしてみることならできるのですが、大抵そう言う工夫は、「ちゃんと聞いて!」と封殺されます。
それよりも影響が大なのは、
「話している本人が脱線していくことは大抵許されるけど、それを他人がやるのはちょっと気が引ける」という事実です。なぜなら
「この人は私に報告しているのだから、なにかの内容があるのだろう。その内容とはなんだろう?』と構えて聞いてしまうから。「話をそらしちゃまずい」と思うのです。
物事を仔細に順を追って話し始めてしまうと、それを話されている相手は、どうしても「内容」を受け取る準備をするし、それが「礼儀だ」と思う。そうしているにもかかわらず、話し手が「脱線」していくと、

「・・・んで、何の話?」「何が言いたいの?」「結論は?」「落ちは?」

というお決まりのことになるのです。お決まりはこの後も続きます

「オチとかじゃなくて、ただ、会話したいと思ったの」

うん。残念ながらそれは「会話」ではないのです。
多分「相手と話をしたい」という事は本当なのだろうと思うのですよ。でも「1~10」話法で話しだすと、どうしたって会話にはならないのです。


どうしたらいいか?
明快に答える事が僕には出来ます(!)
それは「10→1」話法です。

コメントの投稿

非公開コメント

twitter
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
リンク