朝。少し散歩に出る。

団地の前の桜の木々。は、いずれも結構な樹齢。この団地が立てられた時に植えられたモノだろうか。その高齢の桜たちは、つぼみ膨らませていて、葉の方から既に芽吹いてきている。
毎年、若い桜が、ぷゎあーと。華やかに満開に花を咲かせて、花びらを舞い散らす頃には、僕の団地の前の桜は、すっかり葉っぱだけになってしまっている。全く咲かないわけじゃなく、葉と花が同時に出て来て、茶色い新芽と、薄いピンクの花びらがまばらに広がります。
僕の住んでいる棟にも空きが有り、いずれ被災した方が来はるんだろうなぁとおもう。
近所の家々の前のジンチョウゲがあっちこっちで咲いていて、鼻を近づけるとあの独特の匂い。甘い。生姜みたいな。

・ ・・・

一昨日の晩。奥さんが台所で料理を作ってくれている。
僕は片手間で娘の相手をしながらテレビでNHKを見ている。
関東の、計画停電についての情報。その前の日は回避されたんだけれども、今日は、実施せざるを得ないらしい。駅が映っていて、JR、私鉄各社がダイヤを大きく変更する事などをアナウンサーが丁寧に伝えていた。

アナウンサー/「どこそこの会社は営業を16時で切り上げて、帰宅指示を出しました」・・・

ブラッドシフトと言うのを聞いたことがある。フリーダイビングの話だったと思う。海に深く潜る競技。ジャックマイヨール、グランブルー。海に深く潜る時に、体内の血液が脳と心臓の部分に集まってくる。というもの。つまりそれ以外の手足だとかから血液が、大切な部分に集まってくる。
国の経済政策の話でもよくあるけれど、「止血」するべき時。「元気を出すべき時」と言うようなことを考える。
活動が活発になると、血流が増える。どこか大きな傷口があると、そこから沢山の血が失われてしまう。だから、不活性な状態にして、まず傷口を塞ぐ。それから活性化させて癒す。
突き指やだ僕をしたときに、まず冷やして、内出血などを止めて、二三日したら今度は暖める。そういうようなこと。

娘/「うんこ言うたらあかんなぁ」
僕/「?。・・・うん。そうやなぁ。あかんなぁ」


適当に返事をする。
しかし、子供は下ネタが大好きだ。「うんこ」「おちんちん」「おいど」とか。僕は、比較的そういうことを娘が言う事には寛容なのだが、「寛容すぎる」と奥さんによく怒られる。

アナウンサー/「どこどこ線は、17時以降、本数を50%まで少なくして・・・」

・・・。企業も営業を思い切って拡小して、電車もぐっとすくなくすれば、電力の消費は減る。
でも、そうすることによって「ダメージ」を負う事も間違いない。
事実被災地の工場などが止まる事によって、そこからの部品が入らない工場がとまる。そこへ部品を納入する工場が止まっている。
電車が止まる事で、車で移動する人が増えてガソリンの需要が高まることも事実起きている・・・

娘/「うんこ言うたらあかんなぁ」
僕/「・・・・。そうやな。保育園で誰か言うてはったん?フミト君?」
娘/「・・・」


多分保育園が一番困るんだろう。誰かが言い出してそれをみんなが覚えていく。「保育園では言うたらあかんで」と教えると、素直な娘は「保育園では言うたらあかんねん」と保育園で言うもんだから、又奥さんが保育士さんに、小言ご指導を受ける事になるんだ。

何をする事が今一番ベストなのか?
と多くの人がそれぞれ考えている。
僕は「極めて迅速に、極めて正確な情報」を切実に希求するけれど、
逆の立場に立てば、それがどれほど難しいことなのかはすぐにわかる。
そして本当のことを言えば僕が求めているのは
「極めて迅速に、極めて僕に具合のいい情報」なのだ。
しかもそれは、ちょっとした拍子で「僕にとって具合の悪い情報でもかまわない」なにしろ「答えを!」と、いう状態になってしまう。
そういう心理を、twitterなどのネットの上にもテレビにも、そして自分の中にも何度も見つけた。
そして、
そんな事すら考えられない状況の人々がいる。
今。居る。

娘/「うんこ言うたらあかんなぁ」
僕/「・・・」


テレビ画面には駅前で並んでいる人々が映っている。

宇治市の消防署にお弁当を納めている。昼間、納品の時には居はらなかったんだけれど、回収に行った時に、休憩室で数人の消防隊員の人たちがテレビを見てはった。僕がバカみたいにテレビに釘付けになって、ただ「釘付けになっているだけで、何にも考えられていない」のとは違う。と感じた。テレビの画面を見る彼らの目の奥に、何とも言えん光があった。
市役所の職員さんも、おまわりさんも、駐車禁止の取り締まりの人も、弁当配送の僕も、京都で働いている。
関東でも。
災害現場でも。

娘/「うんこいうたらあかんなぁ」
僕/「・・・」


東京駅が映っている画面を見ている。
僕。
と、娘。

娘/「おじちゃん、うんこ言うたらあかんなぁ」
アナウンサー/「~~線は80%まで本数を減らして運行するということです。また○○線の運行は・・・」


僕は笑った。

僕/「あのおっちゃんは、うんこ言わあらへんねん。NHKのすごく訓練されたアナウンサーさんやしな。」
娘/「でも、言うてはる」


確かに、そのNHKのアナウンサーさんは「うんこう」と何度も何度も言っている。
娘にとっては「うんこ連呼」か。
僕は笑った。

家族は、とても尊い。
その家族を失った人々が居る。
家族を失いかけている人々が居る。
家族を心配している人々が居る。


「国家」
という言葉に、違う手触りを感じ始める。
「コッカ」
これまでは、「固い」「いかつい」イメージしかもてなかった言葉
「くにいえ」
柔らかくて、できればあたたかい。

僕たちは家族だ。
親戚たちが心配してくれて手助けしてくれている。
僕たちは親族だ。

家族の中にはいろんな人が居る。
家族の中で喧嘩をすることもある。(実際僕が三日前に親父殿とした)
家族だからこそ余計ややこしくなることもある。

でも家族は家族だとおもう。


・・・・・

ご存知の方も多いと思いますが、京都で出来る事のいくつかです。
京都市災害ボランティアセンター

コメントの投稿

非公開コメント

twitter
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
リンク